小学生の時に硬式野球を始めた子は、何か特別な理由がない限りは中学でもそのまま硬式野球を続けていると思います。
問題は、小学生の時に軟式野球をやっていた子。野球を続けるとしたら中学でどちらを選ぶか。
いろいろな事を考えて結論を出すことになると思いますが、
議論のひとつの中に、『硬式ボールは硬くて重たいのでケガをしやすい。』という意見があると思います。
一方その反論として、『ちゃんとした指導がされればそんなことはない。アメリカでは軟式ボールは無く、みんな硬式をやっている。アメリカでケガ人だらけとは聞いた事がない。』と。
いずれもなるほどと思わせる意見です。
が、アメリカの野球に関して、重要な事実が抜けていると思います。
それは以下の通り。
(1) アメリカの中学野球は(日本と違って)高校野球の予備校的な考え方は無い。
どうやら日本の中学野球は(特に硬式は)、高校野球を目指す子たちの準備段階、といった意味合いでとらえられている感があります。
アメリカでは、野球をやっている中学生のほとんどは違う季節に他のスポーツもやっています。いや、高校生でも掛け持ちが普通。中学生の時から野球一筋、などという考えは日本から来ている子くらいかも???
(2) (1)が故にアメリカでは中学生に高校生と同じレベル(環境)を求めない。すなわち、ダイヤモンドは狭く、バットは軽い。
日本では(1)の考えがあるためでしょうか、(グラウンドの都合もあると思いますが)、中学1年生になったら大人(高校生)と同じダイヤモンドの広さで野球をします。
すなわち、
プレート~ホームベース=18.44m(60.5フィート)
塁間=27.43m(90フィート)
です。アメリカでは(2011年7月3日にも書きましたが)、
11歳~12歳
プレート~ホームベース=15.24m(50フィート)
塁間=21.34m(70フィート)
13歳~14歳
プレート~ホームベース=16.46m(54フィート)
塁間=24.38m(80フィート)
つまり、投手も捕手も内野手も、日本に比べて負担が小さい。
うちの子は日本の小学校では軟式野球をやっていて、卒業してからアメリカに行った時にはまだ12歳でしたので、日本より狭くなりました。
そしてその後の2年で少し広いダイヤモンドとなり、高校になってようやく大人と同じになりました。
バットに関しては、日本の硬式野球では『中学硬式野球用』というバットを使うようですね。
重さは780~850gくらいが多いようです。
小学軟式用は重くても600gでしたので、急に重たくなります。
うちの子は、12歳の時にアメリカで最初に買ったバットは640gでした。監督からはもっと軽いバットを薦められました(2011年4月19日のブログ参照)。
そこから毎年買い換えましたが、14U(中学3年)の時に使っていたのが765g、そして高校に入ると重さの制限が始まりますが、それでも使っていたのは822gでした。
アメリカでは高校を卒業するまでこの重さのバットが使えます。
つまり、バッターにとってもアメリカの方が負担が小さい。
ところで、日本の高校野球が重さの制限をしている理由は、打球が速くて危険になるのを防止するためと聞きました。
アメリカでは、打球が速い危険性を抑えるために、バットを重たくするのではなく、バットの反発係数を抑えるというルールが作られました。
選手への負担という観点では理にかなった方法と思います。
ちなみにアメリカで900gなんて重たいバットを使っている高校生は恐らく誰もいないと思います。(木製バットは別ですが。)
アメリカ人に比べてパワーに劣る日本人が、より重たいバットを使わなくてはいけないとは。。。
=====
そして、上記の内容から導いた私なりの結論は、
アメリカの(硬式)野球は日本の硬式野球に比べて選手への負担が小さい。
※私は専門家ではなく一介の野球好きオヤジですので、証明せよとかデータを見せろとか言われても困ります。
=====
体への負担という観点だけを考えた場合、これは恵まれた環境だったとつくづく思います。
実際は親(私)の仕事の都合だけで決まった事ですが。。。。。
0 件のコメント:
コメントを投稿
注: コメントを投稿できるのは、このブログのメンバーだけです。