2018年12月27日木曜日

伝統 (その3)

つづきです。



■内野ゴロはボールの正面に回り込んで取れ・・・C (A)
    小学生のうち基本として教える事には異論は無いのですが、以前も書きましたが、実際にはバックハンドで取っていい体勢で送球するほうが早いのではないかと思います。アメリカではバックハンドでゴロを取る練習をよくやります。
うちのトラベルチームでは先週も時間をかけてこの練習をしていました。ステップの仕方とかグラブの出し方、体重移動のさせ方などをコーチが子供たちに教えていました。
日本でも練習しているんでしょうか?(少なくとも小学生の時は見たこと無かった)



■学校の行事や体調不良以外の練習の休みは認めない・・・D (B)
    あまりにみんなに休まれたらチームとして成り立たなくなるだろうな、という事は理解できます。特に試合の日。日本はレギュラーを固定する傾向が強いので、有力選手が試合に来られないとダメージ大きいですよね。
だけど、一生のうちの限られた貴重な時間ですので、一切認めないと言うのはやりすぎかと。たかが野球の練習1日より大事な事もあるはずです。



■硬球は危ない。怪我しやすい。という迷信・・・D (A)
    そんなことを言ったらアメリカの子供はケガ人だらけになってしまいます(笑)
こちらでは小学校3年生くらいから大人と同じボールを使います。ピッチャーはへたくそなのでデッドボールが多いですが、別にケガ人だらけではありません。もちろん当たったら痛いですが。

むしろ危ないのは、選手ではなく観客の方ではないでしょうか。特に、自分が見ている試合ではなく隣の試合会場から飛んできたファールボール。確かに飛んできたボールが不意に当たったら痛そうです。

あと、ボールが重たいからいきなり投げると肩や肘を痛めるという説もありますね。ホントかな~~??うちの子は3年前にアメリカに来て初めて硬球を投げましたが、何ともありませんでした。但し少しずつやりましたけどね。

でも、確かに軟式から硬式へ変わった直後は、気を付けておくに越したことはないかもしれません。アメリカに軟球は無いので、この点から言うと、やはり日本特有の内容になりますね。





おわり。


伝統 (その2)

続きです



■ぼうず頭・・・D (C)
    例えばサッカーはいいのに野球はいけないなんておかしな伝統です。ぼうず頭の理由は、おしゃれに気を回すと野球に集中できないから、と聞いた事があります。冷静に考えて、それ、ホントですかね???

一方で、ほとんどがぼうず頭の中で、あるチームだけそうでなかったとすると審判の方の印象が悪くなるのではないかという懸念があります。所詮は人間ですから。そんな心配するくらいならぼうずにしちゃえ、と。そしてそれが悪循環を生む。



■練習や試合の後は自分達でグラウンド整備・・・B (B)
    ・・・うちの子が入っていた少年野球チームは子ども達がやってましたが、中学以上になると時間がもったいないと言う理由で父兄がやったりする事もあるとか。子どもにやらせて欲しい。
ちなみに私は日本にいた時は好きでやっていました。自分自身が楽しかったので。



■審判へのお茶だしは父兄の仕事、当番制・・・D (C)
    もし私が野球大会の委員長だったら、審判へのお茶だしは禁止にします。だって審判やってたら自分の飲みたいタイミングで自分の好きなものを飲みたいです。
いや、感謝していましたよ、私が審判をやっていた時は。
だけどなんだかわざわざ申し訳ないな~って気持ちでした。

ちなみにアメリカの試合は練習試合であっても審判にはお金を払ってやってもらいます。飲み物はもちろん自前。バックネットにペットボトルの水がささってます。

更に言うと、聞いた話ですが、試合の応援に来たOBの方にお茶を出す習慣がある学校(チーム)もあるとか。応援しに来てくれてありがとうございます、という事だと思いますが、少しやりすぎでは無いかと思います。
お茶が出てこない(出てくるのが遅い)と気を悪くされる方もいるそうで、まさに老害。それくらい自分で持って来いよ。



■高校野球のバッティンググローブは白か黒だけ。バットも地味な色だけ。・・・D (C)
    これは伝統というより規則ですが。。。。変なところで地味さを求める意味がよくわかりません。細かいこと言わずに好きな色を使わせればいいのに。



■ピッチャーはとにかく走れ・・・D (B)
     ピッチャーのコントロールが定まらなかったり、バテるのが早かったりすると、『走り込みが足らないから下半身が安定していない』などとおっしゃる方がいます。
ピッチャーは下半身が大事、これはその通りと思います。
だけど、『下半身が安定していないのは、走り込みが足りないから』という短絡的な結論は本当ですかね?
今の時代、もっと短時間で効果的なやり方があるのではないでしょうか。





つづく。。。








伝統 (その1)

2014年3月に下書きしたまま投稿していなかったのを見つけたので、今さらですが公開します。当時アメリカに渡って4年目、息子がMiddle→High Schoolに上がり、野球のトライアウトを受けてチームに合流した後くらいの時期です。

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テレビや雑誌で、野球界の重鎮と言われる方が、

『わしらの若い頃は云々、それに比べて近ごろの若いもんは・・・』

とおっしゃっておられるのを見かけます。
(まあ、これは野球に限った事では無いと思いますが。)

少し意味が違うのを承知で、これらの事をここでは【老害】 、もとい、【伝統】と呼ぶ事にしますが、
伝統にはいい伝統と悪い伝統、そしてその間があると思います。



以下、完全に個人的な意見になります。

違った意見の方も多くおられるであろうという事を承知で、私が思う、アメリカではほとんど見られない、日本の野球の伝統の良し悪しをランク付けしてみたいと思います。

A: 良い伝統。今後も守るべき。
B: AとCの間。
C: まあどっちでもいいんじゃない。
D: CとEの間。
E: 悪い伝統。 断ち切るべき。

カッコ内は、日本にいた時に感じていたランク。
アメリカに来た後にどう考え方が変わったか、分かるようにしてみました。


■練習や試合中の、意味不明な声だし・・・C (A)
   少し前に書いた話です。プレーの指示は大きな声でやるべきですが、バッターがピッチャーに向かって「さあ来い!」などと声を出すのは、アメリカではやらない方がいいと思います(大学生以上だときっとぶつけられます)。
現実的には、私の印象では、損もなし得もなし、かな。


■試合に負けた後に監督が『いいと言うまで走っておけ』・・・E (C)
    そもそも怒りに任せてやらせたとすれば論外。懲罰的な意味だとすれば分からなくも無いが、そもそも試合を負けたのを選手だけのせいにしているとすれば、それはおかしい。まずは自分が責任を感じるべきでは無いでしょうか。
という事で、やれというなら監督・コーチもいっしょに走って欲しい。(日本の少年野球時代にいっしょに走っていたコーチがおひとかただけおられました。)

但し、トレーニングの一環として試合後に少しきつい事をさせる。つまり、子ども達のためになる目的がある。それならば否定しません。アメリカでも見かけました。
ただ、だらだらと意味も無く走らせるということはありません。きっと親から質問が来て、リーズナブルな理由が無ければ子どもはチームを去る、学校のチームなら校長?に苦情が行くでしょう。


■グラウンドに入る前に一礼、去る前に一礼。相手チームに対して並んであいさつ・・・A (A)
    いかにも日本人の礼儀正しさが見えて、非常にいいことだと思います。但し、ピッチャーがボールをもらうたびに球審に対して挨拶するのはちょっとやりすぎかと。。(今はもうやらないんでしたっけ?)


■野球チームに入ったら、他のスポーツとの掛け持ちは許さない・・・D (B)
    特に子供が小さいうちはいろいろなスポーツや習い事を経験させるのがいいと思います。自分が何をやりたいのか、何に向いているのか、いろいろやってみないと分からないですよね。

アメリカでは、仮に野球が本命だとしても、他のスポーツをやる事で野球に対してもいい効果を生む(あまり使わない筋肉を使うのでいいトレーニングになる)という発想です。


つづく。。。